テツノハサミサイクル【ポケモンSVシーズン8 レート2006】

 お久しぶりです。うえすとと申します。
 このたび、ポケモンSVでは初めてレート2000を達成できたので、記事にしたいと思います。剣盾末期はモチベが上がらず、SVでは結果が残せずで、なんやかんや投稿は剣盾のシーズン17ぶり(約2年)となります。記事がなかなかの長文になってしまいましたが、下線引いてある部分さえ見ていただければなんとなく内容がわかるかと思います。

1.結果

シーズン8シングル レート2006(387位)

2.使用構築

3.構築経緯

(1)物理エース枠 +クッション枠 の採用

 相も変わらずハッサムを使いたいということで、数々の実績を残しているハッサム使いであるぴちさん(@megahushigisou)、イカタコさん(@ikatako94)考案のスカーフ枠+オボンハッサム+鉢巻カイリューのテンプレートから組みはじめました。結局レギュレーションDもパオジアン、ハバタクカミ、カイリュー等々のレギュD以前から強いポケモンが環境を席巻していたので、前環境で結果を残したオボンハッサム+鉢巻カイリューは今環境でも通用すると考えました。

(2)スカーフ枠の採用
 次に初手の様子見+詰めのアタッカーとして動かすスカーフ枠としてレボルト、マスカーニャ、エースバーン等を試していたが、裏の負荷を軽減しつつ電気、地面の一貫を切れるランドロスが最も使いやすかったため、採用しました(ランドロスイカタコさんが使っていたのを参考にさせていただきました↓)。

ikatako07.hatenablog.com


(3)チョッキ枠 の採用
 次にHBベースのハッサム構築には特殊受けのチョッキ枠を採用したく、チョッキ枠については1カ月間を通して様々なポケモンを試していましたが、その中で「ハッサムの苦手なイーユイ、ツツミのクッションになる」「②特殊受けでありながら物理アタッカーのパオジアン、ウーラオスにも殴り合える」「③環境のカイリューはノーマル(次いで飛行、鋼?)が多く、カイリューのテラス前後に打点を持ち、龍舞の起点にならない」点を評価してテツノカイナを採用しました。(チョッキ枠についてはせっかくなので試したポケモンの評価を「7その他(チョッキ枠考察」で記載しています。)

(4)特殊エース枠の採用
 5体目は特殊アタッカーが不在であることから、無難に強く、比較的サイクル介入ができる眼鏡ハバタクカミを水テラスで採用。
(5)崩し枠の採用
 6体目は崩しを行いつつ、水ウーラオスに見た目弱くないポケモンということで、最終日までは珠雌イダイトウを採用していましたが、腐ることが多く置物と化していたため、最終日はテツノツツミを採用することとしました(ツツミについては持ち物、テラスを最終日中にもコロコロ変更しており、一番考えがまとまっていなかった。)

4.コンセプト

クッション(ハッサム、カイナ)の対面操作によりアタッカー(他4体)を通す

                        

5.個体解説

カイリュー

特性:マルチスケイル
性格:いじっぱり
持ち物:こだわりハチマキ
テラス:ひこう
実数値:167(4)-204(252+)-115-108-120-132(252)
技:テラバースト / じしん / げきりん / しんそく

<調整>

 AS振り切り。
 構築の物理エースで、ステロさえ巻かれなければどの局面から出しても強かったです。相変わらず強すぎるため、特に言うことなし(笑)。技構成も従前の型どおりです。レギュD環境初期は物理受けサンダーが多く通しづらかったが、終盤はかなり数を減らしていて助かりました。選出率は体感カイナと同率で3位くらい。

ハッサム

特性:テクニシャン
性格:いじっぱり
持ち物:オボンのみ
テラス:あく
実数値:177(252)-169(28+)-146(204)-67-103(20)-85
技:バレットパンチ / とんぼがえり / どろぼう / つるぎのまい

<調整>

A:バレットパンチで化けの皮がはがれた耐久H4振りのみのミミッキュを確定一発
HB:特化珠ミミッキュのA↑2テラスタルシャドークロー確定耐え
HD:特化サーフゴーのシャドーボールでオボンの実発動 

調整参考元の最新記事⇒くまさんだー【S8/最終22位】 | BULLET THE WITCH (masterduel-deck-lab.com)

 カイリューランドロスとの相性補完に優れるクッション枠であり、環境トップのアタッカーであるパオジアン、ハバタクカミに基本有利をとれるのも強い。Sについては新環境のため落としたほうがよいのかどうかを決めきれず、結局S31個体を使っていましたが、事後解析の結果、どうやらブリガロン抜きまで落とす(S27)のが正解だったようです。
 悪テラスはパオジアンの噛み砕く、ミミッキュのシャドークロー、サーフゴーのシャドーボール、イダイトウのお墓参りを半減にしつつ、切り返せるのが強かったです。
 また、どろぼうの枠は草分けやインファイトも選択になるのかもしれないが、オボン発動後に相手の食べ残しを奪うなど、どろぼうのダメージ量以上の効果が見込めるので、クッションハッサムはどろぼうが一番使いやすいと思っています(よりハッサムが抜きエースとしての動きを見越す構築であれば草分け、インファイトもありか。)。
 対面操作を行いつつ裏のアタッカーで高火力を押し付けるのが基本的な仕事ですが、今季は剣の舞から2タテ、3タテすることも多かった最高のポケモン。選出率は2位。

ランドロス(れいじゅう)

特性:いかく
性格:いじっぱり
持ち物:こだわりスカーフ
テラス:フェアリー
実数値:165(4)-216(252+)-110-112-100-143(252)
技:じしん / とんぼがえり / テラバースト / いわなだれ

<調整>

 アタッカーも兼ねているためAS振り切り。
 サイクル線の要であり、様子見役として多くの試合で初手に投げていました。前述したとおりマスカーニャやレボルト(エスバは論外)と比べて威嚇による補助と電気地面の一貫切りが偉かったです。一方でこちらのメインウェポンが地震であるため、無限にカイリューランドロスを後投げされたり、逆に初手で出てきたヒードランにとんぼがえりを打って居座られるなど、結構神経に来るポケモンでしたが、代えが効かないポケモンでもありました。
 ウーラオス(水悪両方)にテラバーストで奇襲するためテラスは妖精です(飛行のがよいのかも)。
 様子見役、クッション、サイクル戦後の詰めのアタッカーの役割も兼ねているので、選出率は1位。

④ ハバタクカミ

特性:こだいかっせい
性格:おくびょう
持ち物:こだわりメガネ
テラス:みず
実数値:145(116)-67-76(4)-187(252)-156(4)-189(132+)
技:ムーンフォース / シャドーボール / テラバースト / サイコショック

<調整>

HB:特化珠ミミッキュの影うちを最高乱数(6.2%)以外耐え

S:準速ツツミ抜き

C:火力が欲しかったため振り切り

 特殊エース枠
 初手に投げていた時期もあったが、大体よくないことが起きて出オチすることがあまりにも多かったので、初手には投げず裏から通すことを意識しました。それでも綺麗に通せるときと同じくらいワンパンされるときが体感同じくらいあったので、同じくエース枠のカイリューと比べると信用度、選出率は低めで5位。
サイコショック正直ドオーヒトデ以外に打たないのと(ドクガいないし)、当パーティは補助技を持っているのがツツミしかいないので、ギミックをつぶせるように滅びにしたほうが良い気がする。気づくのが遅かった。

⑤ テツノカイナ

特性:クォークチャージ
性格:いじっぱり
持ち物:とつげきチョッキ
テラス:くさ
実数値:229-211(252+)-129(4)-63-120(252)-70
技:ドレインパンチ / かみなりパンチ / れいとうパンチ / ボルトチェンジ

<調整>
 チョッキ枠の性能を引き出すため、AD振り切り。
 特殊アタッカーに対するクッション枠ハッサムでは対応しづらい特殊アタッカーであるイーユイやツツミ、サーフゴーにクッションとして投げ、対面操作からアタッカーを通す仕事がメインですが、自身の火力もあるので特殊アタッカーを後出しから殴り倒せるのと、物理アタッカーであるパオジアン、水ウーラオスカイリューと対面しても殴りあえるのが本当に強かったですカイリューの流行にも助けられた形ですが。)。
 技構成は悪タイプ、ノマテラカイリューに打ち、回復もおまけで見込めるドレインパンチ、ツツミ、ウーラオス、サフゴあたりに打つ雷パンチ、テラス前のカイリュー、ランド、ガブに打つ冷凍パンチ、対面操作技のボルトチェンジとしました。対ドラン、ゴツメサーフゴーなどに地震が欲しい場面もありましたが、ドランは鬼火を持っていることが多く、サーフゴーもテラス再生で粘られるのでそれらに対してはボルチェンからカイリューやカミでしばく形をとりました。
 テラスは胞子対策兼地震半減となる草を採用しました。対ガッサ入には初手に投げて草テラスからのドレパンの動きで対応しました。それ以外の動きもとりましたが、その場合どうやっても一体は眠らされます。選出率はカイリューと同じく3位くらい。

 

⑥テツノツツミ

特性:クォークチャージ
性格:おくびょう
持ち物:きあいのタスキ
テラス:ゴースト
実数値:131-90-135(4)-176(252)-80-206(252+)
技:ハイドロポンプ / フリーズドライ / みがわり / アンコール

 <調整>
 CS振り切り。
 珠雌イダイトウの代わりに入ってきたポケモン役割は特殊エース兼嵌め枠ハイドロポンプが当たるかどうかに勝敗が左右されることが多いので、あまり採用したくなかったものの、代案が何もありませんでした。襷と身代わりの相性が悪いように見えますが、対特殊に行動保障を持たせたかったために持たせました。襷を持たせていた期間が一番長かったので、構築表記上は襷にしていますが、他にも同じ構成でブーストエナジーやラムのみを持たせていた期間もありましたので、要検討の枠です。最終日はドロポンをかなりの高確率で当てていたのに最後まであまり信用していなかったので、申し訳なかった気持ちはあります。テラスはしんそくを無効化するための霊。選出率は6位。

 

6.選出

① 基本選出

 (様子見役兼アタッカー) + (クッション×1)  +  (エース×1)  
            +  or     +   oror

 大体ランド先発で威嚇で裏のクッションのサポートをしつつ、地震で殴るかテラスで強引突破orとんぼでサイクルを有利にし、エースを通す動きを狙います。エースは大体後発で出してましたが、カイリューのみ先発と後発が半々くらいでした。
 クッション枠をどちらにするかは明確な決まりはなかったのですが、体感としてはパオカミミミッキュのようなハッサムがクッションとして有利に動けそうなアタッカーが2体以上いればハッサム、1体のときは代わりにツツミやイーユイがいることが多かったのでカイナを出していました。
 エースの信頼度(選出率)は体感的に >>>>> くらいです。

② vs 対面構築

(様子見役兼アタッカー) + (クッション×2) 
                   +   + 

 ガッサパオミミッキュカミイーユイツツミなど、そのあたりのポケモンが詰め込まれた対面構築にはクッション2枚選出をよくしました。ランドの威嚇+物理特殊のクッションを選出することで、比較的安定してサイクルを回すことができ、対面構築への勝率はまあまあ高かったように思えます。ただしこの選出は火力も控え目で裏が鈍足なため、鉄壁アーマーガー1体で終わるので、本当に対面構築にしか出しませんでした。また、ウーラオスに対してランドの奇襲が失敗した場合、剣舞やビルドからの水流連打で全員貫かれるので注意が必要でした。

③ vs 受け、ギミック系

(破壊枠×1)+(ストッパー枠)+@1

       +       +@1 
 受けに対してはカイリューで圧をかけつつ、ツツミで嵌めるのが大体の勝ち筋になります。@1はこの2体を直接後出ししづらい場面で仲介役になれ、剣舞からの崩しや、どろぼうによる妨害が行えるハッサムが多かったです。受けはともかくギミック系への勝率が悪く、前述しましたがせめてカミに滅びを入れたらよかったですね。

上記①~③のほかにも、柔軟に選出しました。

【重いポケモン

チオンジェン

キョジオーン
 上記2体はあまりマッチングせずに助かりました。この他にもツツミでの対応がしづらい感じのポケモンは相手してて辛いです。

ウーラオス(水)
 カイリューカミツツミと並べていても辛い最強のポケモン。クッションの2体とランドがテラスなしでは対応がききづらいのが辛かったです。

・最終日付近に流行り始めたでんじは搭載ポケモン
 ランドカイナにでんじはが効かないので、マシなほうだったとは思いますが、嫌なものは嫌ですね。

・小さくなるバトン等
 対策枠がないため、当たったら結構負けた気がします。カミに滅びをいれていればマシだったと思うのですが。

7.その他(チョッキ枠考察)

 今季はレギュDが始まったシーズンで、参考記事がない状態だったので特にチョッキ枠については様々なポケモンを試していました。1番時間をかけたところなので、せっかくなので、カイナ以外の各々の使用感を雑記程度に書いておきます。

①ヒスイヌメルゴン

 当初は一番期待していたポケモンだったが、対面操作技がドラゴンテールしかなく、また火力面も微妙なため、ヘビボンや地震を打つタイミングで物理アタッカー着地→サイクル崩壊の流れがきつかった。耐性の良さもあって耐久力の高さは感じられたが回復手段もないため、使うのが難しかった。飛行テラスで使っていた。

②ガラルヤドキング

 毒タイプ複合とサイコショックを持っていることにより、受けに対してもそこそこ強い良ポケモン。しかし、イーユイやハバカミに対してはテラスを切らなければきつく(切ってもイーユイに勝てない)、何よりもパオジアンなど強力な物理アタッカーに潰されがちなところや(つららより噛み砕くを誘うのもハッサムとの補完上きつい)、対面操作技をもたないことから、採用候補から外れた。ノーマルテラスで使っていた。

ヒードラン

 地面4倍弱点によりテラスを吐かせられがちな点や、最初火炎放射で使っていたが火力もまあまあで、地面4倍を抱えてまで採用する意味を感じられなかったため解雇した。結局こいつはマグスト当てるかどうかな気がする。対面操作技はなくてもマグストを当てるなら最強クラス。草テラスで使っていた。

④ゴリランダー

 最初一番期待していなかったが、技も強力、火力もそこそこある方なので、下手に物理アタッカーの着陸を許さなかったし、着陸してきてもかなり負荷をかけられる点が強かった。余っていた岩テラスで使用したが、イーユイやレボルトを返り討ちにもできた。しかし、テラスなしではハッサムと苦手なポケモンがかなり被っている(サンダー、レボルト、ドラン、イーユイなど)ことから採用候補から外した。カイナの次に単体性能は高いと感じた(マグストを当てるヒードランを除く)。岩テラスで使っていた。

⑤水ロトム

 この中でハッサムとの補完には最も優れており、シリーズA、Bなどではハッサムミトムはよく見たし、自分もよく使っていた。しかし、数値が貧弱であり、物理アタッカーに負荷をかけづらいことに加え、特殊アタッカーに対しても打ち負けることも多いため、候補から外した。ミトムは今季もそこそこ当たったが、チョッキよりhbオボンが流行っていた気がする。鋼テラスで使っていた。

 

この構築での相性及び個人的な使い勝手としては

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他の構築、使い手では評価は全く異なってくるとは思うが体感としてはこんな感じでした。

8.最後に

 実はレート2000に乗れたのが8月1日の最終戦(8時55分頃スタート9時2分終了)だったので、ギリギリでした(笑)。
 また、今回はポケモンHOME連携によりソウルシルバーから代々送ってきた思い入れのあるハッサム個体だったのも嬉しかったです。
 なかなかSVになってからは勝てず、レギュB、Cあたりはモチベが上がらなかったのですが、やっと2000に乗ることができてよかったです。テラスタルの仕様がこれまでより練度のいるシステムなのかなと思っています。まだまだハッサムは環境下で暴れられそうなので、気が向いたシーズンは今回のようにしっかり潜ってみたいと思います。

リボンコンプとまではいかないですが、前作までのリボンそこそこついてる個体です。